雨の日に、鈴復活のわけ

現在、私は実家から徒歩15分程のところに部屋を借りているのだけれども、 それというのも前述の狩りの得意な新参者、今ではしっかり古参とあいなった猫殿べんに会いに行くため。 (初対面の事を思えば意外だが、しかもその後四年程も日本を離れていたにも拘らず、私の後をつけ周り、何故か他の家人に懐かない。)

そんなある日曜日の朝早く実家からの電話で起こされ、何にかというと彼べんの事。

具合が悪そうなので、獣医に連れて行こうと思っていたら脱走したから、実家迄帰って来て近所を這いずり回って捜してくれという依頼。

雨なのに、、、しかし、、まあそんなことは、言ってられないと、
カッパを着て、猫のいる実家へと向い、猫捜しを始めた。

つまり、隣近所向こう数件(男の子なもんで、かなりテリトリーが広い。かって後をつけた私は、彼が、数件先の遊歩道をこえ、、さらに民家を越えた、生産指定緑地兼空地、にまでテリトリーを広げているのを知っている。)の軒下、車の下、縁台の下、植木鉢用台の下などをチェックして回るだけれど、彼はいない。

雨も降っているし、具合も悪いのだから、そうそう遠くには行っていないと思うのだけれど見つからない。

どうやって捜すかと言うと、猫の名前を呼びながら、近所の家を覗いてまわる。 すると不審に思った家主が出てる。 そこで透かさず「すいません。猫がいなくなっちゃって捜しているんですけど、見ませんでしたか?」と聞く。

「べんちゃん?毎日来てるけど、今日は見てないなあ。昨日は来てたよ。」等と言いつつ、庭を見せてくれたりする。

中には親切にも、一緒になって、捜してくれたりする人もいる。「みなさん本当に親切なんですね。うちの猫が毎日お邪魔して色々と迷惑かけたりしているのに」等と内心思いながら。

話はそれたが、そんな風にしながらあちこち捜してもまわったが。見つからない。普段なら名前を呼べば直に帰ってくるのに。

小一時間程そんな風にして捜すが、成果なし。

姑くの休憩の後、再び捜索を開始するが、「まだ見つかんないの?今日はまだ見てないよ。」と隣人の言葉に、更に又これから近所中に迷惑をかけるのも気が引けると、 声を低めて猫の名を呼びながら、先ほど見て回った車や、物置きの下などを見て回るが、やはり気配無し。

せめて鈴でも付けておけば、鈴の音を頼りに捜索出来るのに。 以前、どっかで落として来て以来そのまんま。 嗚呼、今さら悔やんでも仕方がない。

そんな時ふと頭を過ったのが、「猫は死期が近づくと姿を消す。」というヤツ。

これも、猫は具合が悪くても、病気とは思わず、体調が悪い、躯が痛いというのは、外から攻撃されているからと思い込み、故に独り隠れ篭ろうとする。 当人は姿を消すつもりではなく、外敵の来れないところに隠れ、あるいは隠れようとして見つからなくなる。

「ああなんてこと。ったくバカなんだから。」と独り毒づいていると、家人の私を呼ぶ声。何ごとかと思うと、猫が家に帰って来たから捕まえてくれというではないか。 見ると、リビングの植木の影に隠れているではないか。

多少は具合が良くなり、のこのこ帰って来たのか、無事捕獲?さらに獣医に行き、注射をうたれ、これまた一件落着と相成ったわけであります。

そして、鈴も、復活するに至ったわけであります。

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