猫 徳

我が家に新しく子猫がやってきた時、すでに古参の猫達がいたのだけれど、 その古参猫の一人(エリー)の様子がどうも変。普段は人好きのする懐こい仔なのに、部屋の隅でジーッとしていて、呼んでも反応しない。

家人曰く、「新しい子猫が来たんで、それが気にいらんでしょう。」

いや、ちょっと待て、かって我が家がに仔犬がきた時、子猫を生んだ経験も無い生後一年だった彼女は、その子犬の母親代わりに出ない乳をあげつづけたのだ。

生後三ヶ月で我が家にやって来たその柴犬の血の混じった子犬は、すでに彼女の半分程のサイズで 我が家にやって来て、2週間後には彼女とほぼ同じサイズになり、 数週間後には彼女の倍のサイズになり、口にくわえて運ぶと言う試みのみは、諦められたものの、彼女(エリ−)は、サイズの理不尽さをものともせずに、自分の倍のサイズもある子犬を、我が子のように面倒を見たつづけたのだ。

その後、出産した時には、一週間後に出産した別の牝猫(ぺぺ)の子まで、生みっぱなしの実の母にかわり、 わが子同様、分け隔てなく、まとめて11匹も面倒見た子が、 今さら、子猫がやって来たくらいで、面倒を見るならともかく意地けて部屋の隅で挙動不振になるわけはない。

新しいペットが来たら今まで以上に古参を可愛がって構ってあげなくてはならない、というわけではなく、私としては、貰われて来たばっかりの小さくて愛くるしい、他の家人に構われまっくている血統書つきの新参猫よりも、彼女(エリ−)が、可愛かったからなのだけ。

というわけで、彼女(エリ−)を連れて私の部屋のベランダに面した南側の窓の際にソファと毛布で特等席を作り、そこに寝かせ、 好物のイカサキをあげたのだけれども、食べない。 口元迄持っていったのに、反応しない。 大好きなコーヒークリームもダメ。

やっぱりおかしい。これは絶対意地けてんじゃない。と思った私は、 彼女を連れて獣医行ったら、案の定、風邪それも拗らせて、肺炎になりかけ、、、、。

彼女は、一命を取り留め、私達、家族もペットの飼い主としての最悪のトラウマとなりうる事態を防げたわけで、一件落着と相成ったわけであります。

猫に限らず、動物は、「痛いだの、熱があるだの、」言葉では言えないから、 飼い主がよくよく注意しなければとは、本当によく言ったもんです。

まだまだ未熟な飼い主だったわけで、この場合彼女は彼女の気立ての好さに助けられとと言うべきか。 猫徳です。

ちなみにすっかり回復した後の彼女は、彼女をひいきする私を尻目に、新参子猫の母親をかってで、私と彼の中を取り持ってくれたのであります。

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